且聽風吟(日語版,漢字有假名標註)

ysngki發表於2024-04-16

持續施工中,從第3節開始,前兩節作者的碎碎念沒意思。可以與中文版(比如微信讀書裡的)結合起來一起看。

3、

「金持ちなんて・みんな・糞くらえさ。」

鼠はカウンターに両手(りょうて)をついたまま僕に向(むか)って憂鬱(ゆううつ)そうにそうどなった。

あるいは鼠のどなった相手は僕の後にあるコーヒー・ミルなのかもしれなかった。僕と鼠はカウンターに隣りあって腰(こし)かけていたのだし、わざわざ僕に向って怒鳴る必要なんて何もなかったからだ。しかし何(いず)れにせよ、大聲を出してしまうと鼠はいつものように満足した面持ち(おももち)でビールを美味(びみ)そうに飲んだ。

もっとも、まわりには鼠の大聲を気にするものなど誰ひとりいなかった。狹い店は客で溢れんばかりだったし、誰も彼もが同じように大聲で怒鳴りあっていたからだ。それはまるで沈沒(ちんぼつ)寸前(すんぜん)の客船といった光景(こうけい)だった。

「ダニさ。」鼠はそう言って悍(おぞ)ましそうに首を振った。

「奴らになんて何もできやしない。金持ち面をしてる奴らを見るとね、蟲酸(むしず)が走る。」

やしない:「全然〜しない」という意味で、呆れているような気持ちがあるときに使います。
例:私の言うことなど聞きやしない。
例:真面目に會議をしやしない。

僕は薄い(うすい)ビール・グラスの縁(ふち)に唇(くちびる)をつけたまま黙(だま)って肯(うなず)いた。鼠はそれっきり口を噤む(つぐむ)と、カウンターに載せた手の細い(ほそい)指を焚き火(たきび)にでもあたるような具合にひっくり返しながら何度も丹念(たんねん)に眺めた。僕は諦めて天井(てんじょう)を見上げた。10本(じっぽん)の指を順番(じゅんばん)どおりにきちんと點検(てんけん)してしまわないうちは次(つぎ)の話は始まらない。いつものことだ。

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